TMTMTR (てぃーえむ)

『流民のソクセキ』

インスタレーション



「流民叢塚碑」は北品川の法禅寺にある。天保の大飢饉で品川宿へ流れ着いたが行き倒れた身寄りのない餓死者達の供養に建てられた。江戸時代の飢饉では、天災が様々なシステムに波のように連鎖した。五百余人が埋葬されているという。当初は円墳状の塚として作られ、明治期に碑が置かれ、昭和期にコンクリート製の建造物の上に碑が置かれたということだ。

即席(ソクセキ)で展覧会に「流民叢塚碑」をインストールしてみる。現在急いでこの慰霊を行う必要があるためだ。

コンクリートのスクエアに重なるもの。
時代毎に上書きで変わっていく都市の姿。
現代の東京に一緒に流れ着き、ほとんど誰にも知られず命を絶った一人の女性。
私の元にだけあるその足跡(ソクセキ)。

扉の向こうに何があるだろう。
最後に部屋の扉に呼びかけたときその人の心はどこに居ただろう。
せめて郵便ポストの口を。
扉から手を振って見送ってくれた姿を。

コンクリートのスクエアの上の積み石から始める。
口寄せをしようとタコが周りをうろついている。